アクロマート対物レンズ・プランアクロマート対物レンズの違い

顕微鏡に関するFAQ

生物顕微鏡を検討しているんだけど、BX-2700TLとBX-3500TLは何が違うの?

WRAYMERの正立型生物顕微鏡(三眼タイプ)のBX-2700TL・BX-3500TLは写真で見ると形状がほぼ同じであるためか、このようなご質問をいただくことが非常に多くあります。

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もちろん、価格的には2倍程度の差があるため様々な仕様の違いがあるのですが、最も大きな差としては「対物レンズの性能差」が挙げられます。

本記事では、BX-2700TL標準付属の「アクロマート対物レンズ」とBX-3500TL標準付属の「プランアクロマート対物レンズ」についての違いについて解説していきます。

アクロマート対物レンズ・プランアクロマート対物レンズの違い

アクロマート対物レンズ・プランアクロマート対物レンズの違いは、観察像の平坦性です。

倍率や開口数(N.A.)といったパラメータに差が無い場合、両者のレンズにおいて見えるものに差はありません。

アクロマートレンズ(Achromatic Lens)とは、2色について色収差を補正したレンズです。
【参照】Wikipedia:アクロマート

アクロマート対物レンズの焦点範囲

一般的なアクロマート対物レンズでは、視野の中心に焦点を合わせた場合、視野全体の約60%程度に同時に焦点が合う仕様となっています。

つまり、その範囲外の像については補正が充分ではなく、平坦な試料を観察している場合であっても焦点のずれ・ぼけが起こります。

プランアクロマート対物レンズの焦点範囲

プランアクロマート対物レンズでは、視野の中心に焦点を合わせた場合、視野全体の90~95%程度に同時に焦点が合います。

平坦な試料であれば、ほぼ視野全域に対して同時に焦点が合うため、全体を俯瞰した際の像クオリティが高く、辺縁部に近い箇所の観察がしやすくなっています。

両者の中間の仕様として、セミプランアクロマート対物レンズやE(エコノミック)プランアクロマート対物レンズと呼ばれるものも存在します。
これらの焦点範囲は視野全体の75~80%程度であることが多いです。

焦点範囲による影響の大小

前述の両者の違い、同時に焦点が合う範囲の広狭が実際の観察に与える影響は、観察方法や環境により異なってきます。

接眼レンズ観察時の影響

接眼レンズでの観察時には、アクロマート対物レンズ・プランアクロマート対物レンズによる焦点範囲の影響はあまり感じられません。

もちろん両者の焦点範囲の差は観察像に表れていますが、人間の目は多少の焦点ずれを補完して見ることが出来るため、観察者の主観としては「差を感じづらい」という結果になります。

ただし、こういった補完や主観的焦点深度には個人差があるため、観察像全体のクオリティを求める場合はアクロマート対物レンズよりもプランアクロマート対物レンズが望ましいといえます。

カメラ撮影時(撮影範囲:狭)の影響

カメラでの撮影は、接眼レンズでの観察と異なり人間の目による補完が行われないため、焦点のずれはより顕著に現れます。

しかしながら、センサーサイズの小さいカメラで強拡大像を撮影する場合など、そもそもアクロマート対物レンズの焦点範囲内のみを撮影するようなケースでは、当然焦点のずれを感じることはありません(焦点ずれが起きている箇所が撮影像に映り込んでこないため)。

カメラ撮影時(撮影範囲:広)の影響

センサーサイズの大きいカメラを使用する場合や、センサーサイズの小さいカメラに縮小レンズアダプタ等を組み合わせて接眼レンズ視野に近い撮影範囲を得る場合、アクロマート対物レンズの焦点範囲外がカメラ撮影範囲内に映り込んできます。

カメラ撮影像には人間の目による補完が行われないため、このような撮影環境においてアクロマート対物レンズを使用している場合には、撮影像の中心に比べて周辺部の像クオリティが低下する恐れがあります。

広角な顕微鏡写真を撮影する用途の場合には、プランアクロマート対物レンズを用いるのが望ましいでしょう。

 

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