顕微鏡カメラに対するCマウントアダプタ倍率の選び方

カメラに関するFAQ

顕微鏡用カメラを顕微鏡に取り付けるにあたって必要になるCマウントアダプタですが、顕微鏡に標準付属しているものや別途オプション品として購入するものまでさまざまです。

特にオプション品として購入する場合、縮小光学系レンズの入った0.5倍や0.35倍といったCマウントアダプタが選択できる場合があります。

各倍率のCマウントアダプタについて、どのような基準に基づいて選定すればいいのか、組み合わせによってどのような違いがあるのかという点について解説していきます。

Cマウントアダプタ倍率の選定について

Cマウントアダプタは、共通規格「Cマウント」のカメラを接続するアダプタであるため、倍率にかかわらず使用自体は可能です。

倍率はカメラでの撮影範囲に影響し、組み合わせによっては像が拡大されすぎてしまったり、逆に縮小されすぎてしまうことにより撮影像の四隅にケラレが生じることがあります。

こういった像が必ずしも使われないかというとそんなことはないですが、一般的には接眼レンズで観察していたものをデータ化したい・写真に残したいといった要望に基づいて顕微鏡カメラを検討されることが多いため、本記事では「ケラレが生じない・強拡大になりすぎない像」を前提としたアダプタの選定について解説します。

強拡大について
強拡大とは、接眼レンズ観察時のイメージよりも拡大された像が撮影される、というような意味になります。
細菌等の「顕微鏡観察時にも小さく見えづらいものを大きく画面上に表示させる」といった用途に適しています。
ただし、分解能が上昇しているわけではないため、見えなかったものが見えるようになるわけではありません。
ケラレについて
センサーでの撮影範囲が顕微鏡やアダプタの光束を上回ってしまった場合、主に像の四隅に「何も映らない箇所」ができ、撮影した像ではこの部分が黒く塗りつぶされたようなることをケラレといいます。
ケラレを許容しつつ、とにかく可能な限り広い範囲を観察・撮影するといった用途で使用される方もおられますが、基本的にはケラレが生じない範囲での撮影が望ましいと考えます。

カメラセンサーサイズに適した倍率の考え方

Cマウントアダプタの倍率を選ぶ際に重要となるのがカメラのセンサーサイズです。

Cマウントアダプタに特に光学系レンズが何も入っていない場合(1倍/等倍)、接眼レンズでの観察視野に対して、カメラセンサーサイズによる撮影範囲のイメージは以下のようになります。

接眼レンズ観察視野(円形)をカメラ撮影範囲(長方形)が上回るとケラレが生じる可能性があるため、ケラレの生じない範囲ではセンサーサイズ1インチのカメラが最も広角に撮影可能ということになり、センサーサイズが小さくなるにつれて撮影範囲が狭くなっていきます。

撮影範囲が狭い=狭い範囲を画面いっぱいに表示するということになるので、撮影範囲が狭ければ狭いほど拡大された像が得られるということになります。

センサーサイズの小さいカメラは等倍Cマウントアダプタでは撮影範囲が狭いため、縮小光学系レンズの入ったアダプタを使用することで光束の大きさを補正し、像の広い範囲をセンサーに当てることで撮影範囲を広角化することになります。

前述のとおり、センサーサイズ1インチ+等倍Cマウントアダプタの組み合わせが「ケラレが生じない範囲で最も広角に撮影可能」であるため、小さいセンサーサイズのカメラと組み合わせるCマウントアダプタの倍率は「センサーサイズ1インチ+等倍Cマウントアダプタの組み合わせた撮影範囲」に近似させることを目標として選定します。

カメラセンサーサイズと倍率の計算式

おおよその目安にはなりますが、センサーサイズとCマウントアダプタの倍率は以下の計算式によって確認可能です。

センサーサイズ÷Cマウントアダプタ倍率

例えばセンサーサイズ1/2インチのカメラに0.5倍Cマウントアダプタを組み合わせて使用する場合、0.5(1/2)÷0.5=1となり、センサーサイズ1インチ相当の撮影範囲が得られる、ということになります。

0.8倍Cマウントアダプタとの組み合わせでは0.5(1/2)÷0.8=0.625のため、1インチには満たないため撮影範囲は狭く強拡大となり、0.35倍Cマウントアダプタとの組み合わせでは0.5(1/2)÷0.35=1.4285…と1インチを超過するため、撮影範囲は広くなりますがケラレが生じる可能性が高くなります。

光束が広い場合にはさらに低倍率でもケラレない

上記の計算式の結果1インチ相当サイズを超えてしまった場合でも、必ずしもケラレが生じるわけではありません。

1インチ以上の撮影範囲を得た場合、接眼レンズでの視野を超えてしまうことはありますが、顕微鏡の光束がさらに広い場合(接眼レンズで見ているぞうよりも外側の像が顕微鏡内に存在する場合)、ケラレが生じずにより広い撮影範囲を得られることがあります。

ただし、明確な指針や顕微鏡機種ごとの情報を持っているわけではないため、より広い撮影範囲が得られるかどうかは判断いたしかねます。

計算式の結果が1を大きく超過するアダプタでケラレなく使用可能かどうかについては、お客様にてご判断ください。

WRAYMER顕微鏡カメラと適切なアダプタ倍率一覧

2020年2月現在、WRAYMERで取り扱っている顕微鏡用カメラと組み合わせた場合に、接眼レンズ視野に近似した撮影範囲が得られるアダプタ倍率の一覧です。

カメラ機種名 センサーサイズ 倍率
WRAYCAM-NOA2000 1インチ 1倍
WRAYCAM-NOA630B 1/1.8インチ 0.5~0.55倍
WRAYCAM-VEX120 1/3インチ 0.35倍
WRAYCAM-VEX230M 1/1.2インチ 0.8~1倍
WRAYCAM-EL310 1/3インチ 0.35倍
WRAYCAM-EL510 1/2.5インチ 0.4~0.5倍
WRAYCAM-CIX2000 1インチ 1倍
HDMI・EthernetデジタルカメラFLOYD-2/2A 1/1.9インチ 0.5~0.55倍
HDMIデジタルカメラFLOYD-100 1/2.9インチ 0.35倍
カラーCCDカメラ1129HMN1/3 1/3インチ 0.35倍
カラーCCDカメラ1129HMN1/4 1/4インチ 0.25~0.35倍

※アダプタ倍率が適切倍率より高い場合は像はより強拡大に、低い場合にはケラレが生じる可能性があります。

ご所有のCマウントアダプタとカメラの組み合わせが適当であるかどうかの参考値としてもご利用ください。

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