WRAYMER実体顕微鏡LW-820/LW-820Tの同焦点取得方法

顕微鏡に関するFAQ

今回は弊社のズーム型実体顕微鏡LW-820(双眼タイプ)およびLW-820T(三眼タイプ)の同焦点取得方法について解説していきます。

ズーム型実体顕微鏡LW-820/LW-820T

実体顕微鏡|LW-820 / 820T|レイマー顕微鏡オンラインショップ
像の平坦性が高く、高コントラスト。コストパフォーマンスの高いズーム型実体顕微鏡LW-820/820T。 選べるズーム鏡筒、選べるスタンド、目的に応じてカスタマイズ可能です。工業、研究、医学、教育などに。顕微鏡・関連用品はレイマー顕微鏡オンラインショップ

ズーム型実体顕微鏡LW-820/LW-820Tは、総合倍率6.7倍から45倍までを無段階に切り換えられる実体顕微鏡です。

低倍率で広範囲を観察し、注目したい箇所をクローズアップする、という動作を1台の顕微鏡で簡単に行うことが出来ます。

超広視野(視野数22)のハイアイポイントタイプの接眼レンズを採用し、眼鏡を掛けたままでの検鏡が可能。

様々な用途にご利用いただけるよう、バリエーションに富んだ顕微鏡スタンドをラインナップしている他、汎用性の高いマウント径(φ76㎜)のため、多くの他社製顕微鏡スタンドでもご使用いただけます。

ズーム型実体顕微鏡の同焦点とは?

LW-820等のズーム型実体顕微鏡の場合、ズームダイヤルを回して低倍率~高倍率を適宜変更しながら使用されているかと思います。

この倍率を変更した際、例えば総合倍率6.7倍の時には焦点がきちんと合っていたのに、ズームアップして45倍にしたら焦点が合わなくなった、というような経験はありませんか?

こうした焦点のずれが生じた場合、焦点を合わせるために顕微鏡スタンドの粗動ハンドル等で顕微鏡の高さを調整してしまうと、今度は反対に45倍では焦点が合うのに低倍率にするとボケてしまう、というようなことが起こります。

せっかく1台の顕微鏡で幅広い倍率を無段階で切り替えられるのに、倍率を変えるたびに焦点を調整しないといけないのは面倒ですよね。

この問題を解消する、つまり「ズームダイヤルを回して倍率を変更した場合でも、焦点(ピント)が常に合っている状態」が「同焦点が取得できている」ということになります。

LW-820(双眼タイプ)の同焦点を取得する

ではまず、LW-820(双眼タイプ)の同焦点取得方法を解説します。

双眼タイプの同焦点が取得できている状態とは、先述のとおり倍率変更時に焦点のずれが起こらないということに加え、左右両方の接眼レンズでのずれが起きていない状態のことを指します。

なお、同焦点取得は一度行うだけで良いです(観察試料を変更しても影響はありません)。ただし、顕微鏡の使用者が変わる場合は、視力の差などの理由で同焦点を取り直す必要があることがあります。

1. 接眼レンズの視度補正環のダイヤルを「0」の位置に合わせる

はじめに、接眼レンズの視度補正環の目盛位置を確認します。

ダイヤルが「0」の位置になっていない場合は、回転させて「0」の位置になるようにします。

2. ズーム倍率を最高倍率(目盛4.5)に設定し、焦点を合わせる

顕微鏡の焦点深度は主に対物レンズの倍率によって異なり、それは高倍率であるほど浅く、シビアになります。

そのため、同焦点を取得する際の基準として、最も焦点が合いづらい最高倍率(ズームダイヤル目盛4.5)に設定したうえで試料に焦点を合わせることで、低倍率に変更した際にも焦点が合いやすくなります。

3. ズーム倍率を最低倍率(目盛0.67)に変更する

最高倍率で焦点を合わせたら、ズームダイヤルを最低倍率(0.67)に変更します。このとき、顕微鏡スタンドの粗動ハンドルは動かさないようにしてください。

4. 左目で左接眼レンズを覗き、視度補正環を調整する

最低倍率の状態で、まずは左目で左接眼レンズを覗き込みます。

焦点が合っていれば特に操作は必要ないですが、ズレがある場合は像が鮮明になるように視度補正環を回して調整します。

5. 右目で右接眼レンズを覗き、視度補正環を調整する

続いて右目で右接眼レンズを覗き込み、左目と同じように像が鮮明になるように視度補正環を回して調整します。

6. もう一度最高倍率(目盛4.5)に変更し、焦点ズレが無いか確認する

視度補正環を大幅に調整した場合、最高倍率時の焦点位置にズレが生じることがあります。

再度最高倍率(ズームダイヤル4.5の位置)に変更し、焦点ズレが無いか確認します。ズレが起きていた場合は、最高倍率時に焦点が合うようにスタンドの粗動ハンドルを微調整します。

手順2~6を繰り返し、高倍率~低倍率にズームを変更しても焦点のズレが生じなくなれば、同焦点が取得できています。

LW-820T(三眼タイプ)の同焦点を取得する

続いて、LW-820T(三眼タイプ)の同焦点取得方法を解説します。

三眼タイプと双眼タイプで異なるのは、三眼タイプの顕微鏡には接眼レンズ以外にカメラを取り付ける撮影鏡筒があるということです。つまり、接眼レンズでの同焦点取得に加え、カメラで撮影する際の焦点位置も合わせる必要があります。

三眼タイプの顕微鏡の場合も、左右の接眼レンズでの同焦点取得は双眼タイプと同じです。前述のLW-820(双眼タイプ)の手順を参考に、接眼レンズの同焦点を取得してください。

1. 三眼鏡筒に使用するカメラを取り付ける

接眼レンズの同焦点を取得したら、使用するカメラを三眼鏡筒に取り付けます。

LW-820Tは、三眼鏡筒部としてCマウントアダプタ(1倍)が標準付属しているため、一般的なCマウント接続の顕微鏡用カメラであれば別途アダプタ不要で接続が可能です。

ただし、センサーサイズ1インチ未満(1/2インチ・1/3インチ等)のカメラを接続した場合、接眼レンズ視野に比べカメラ撮影範囲は非常に狭く、強拡大された像となります。

接眼レンズ視野とカメラ撮影範囲を近似させたい場合は、LW-820Tのオプション品であるCマウントアダプタGYシリーズをご使用ください。

なお、GYシリーズはカメラのセンサーサイズによって適切な機種が異なります。詳しくはお問い合わせください。

2. ズームを最低倍率(目盛0.67)に設定する

カメラをセットしたら、ズームダイヤルの目盛を最低倍率0.67の位置に合わせます。

このとき、接眼レンズの同焦点は取れている状態にしてください。

接眼レンズ(双眼部)の同焦点調節に戻る

3. カメラのプレビュー像を確認しながら、Cマウントアダプタの高さを調整する

LW-820T標準付属品のCマウントアダプタ(1倍)およびCマウントアダプタGYシリーズには、同焦点取得のための調節機構が備わっています。

付属の六角レンチ(M2.5)で固定ネジをゆるめた状態で、反時計回りに回すとカメラ位置が上昇し、時計回りに回すと下降します。

パソコン画面等でカメラのプレビュー像を確認しながら、最も焦点が合う高さを探します。WRAYCAM-EL/VEX/NOA/CIXシリーズをご利用であれば、Windows版ソフトウェアMicroStudioの機能「フォーカスアシスト」をご利用いただくと調整が容易です。

標準付属Cマウントアダプタ(1倍)の調整方法

ネジBを付属の六角レンチ(M2.5)で緩めることで、緑矢印部分を回転させ、カメラの位置(高さ)を調整できます。

カメラの撮影像を見ながら高さを調整し、焦点が合ったらネジBを締めて固定します。

※ネジAを緩めるとカメラのみを回転させ、撮影する向きを微調整できます。

CマウントアダプタGYシリーズの調整方法

付属の六角レンチ(M2.5)で緩めることで、緑矢印部分を回転させ、カメラの位置(高さ)を調整できます。

カメラの撮影像を見ながら高さを調整し、焦点が合ったらネジAを締めて固定します。

カメラの向きはLW-820Tマウントポートのネジを緩め、GYシリーズごと取り付け位置を調整してください、

4. カメラの向きを調整し、アダプタを固定する

最も焦点が合う位置が見つかったら、おそらくカメラが想定とは違う方向を向いているかと思います。

Cマウントアダプタの下部パーツの固定ネジをゆるめることで、Cマウントアダプタとカメラを回転させることが出来ますので、カメラの向きを調整して固定します。Cマウントアダプタ(1倍)の場合は、カメラとアダプタの接続部の固定ネジをゆるめてカメラのみ回転させることも出来ます。

以上でLW-820T(三眼タイプ)の同焦点取得は完了です。

なお、三眼鏡筒の同焦点取得は同じカメラを接続したまま使用される限りは初回のみの作業となりますが、カメラの取り外しや交換を行った場合には焦点位置が異なってくることがあるため、再度同焦点を取り直してください。

LW-820/LW-820T同焦点取得方法のまとめ

今回解説したズーム型実体顕微鏡LW-820/LW-820Tの同焦点取得方法について、簡単にまとめると以下のとおりです。

 

双眼部(接眼レンズ)の調整

  1. 接眼レンズの視度補正環を「0」にする
  2. 最高倍率で焦点を調整する
  3. 最低倍率時にズレが無いかを確認し視度補正環を調整する(左右)
  4. 最高倍率に戻し、微調整を行う
  5. 3~4を繰り返して調整する

三眼部(カメラ)の調整

  1. 双眼部の同焦点が取得出来た状態でカメラを取り付け、最低倍率にする
  2. プレビュー像を見ながら、Cマウントアダプタの高さを調整する
  3. カメラの向きを調整し、アダプタを固定する

同焦点の取得・調整は慣れないと難しいこともありますが、きちんと調整が出来た顕微鏡は非常に使いやすく、以降の使用時に焦点調整のためのストレスが大きく軽減できるため、何度もチャレンジして早めに慣れてしまうことをおすすめします。

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