正立型位相差顕微鏡(BX-2705TPHL・BX-3500TPHL)の使い方

顕微鏡に関するFAQ

血液や細菌等の観察によくご利用いただいている正立型位相差顕微鏡(BX-2705TPHL・BX-3500TPHL)について、標準的な使い方を解説していきます。

2機種ともに使用方法は共通であるため、今回はBX-2705TPHLを使って進めていきます。

1. 位相差顕微鏡のセットアップ

位相差顕微鏡については、商品が到着したらすぐご使用いただけるようセットアップした状態でお送りしているため、基本的にお客様でのセットアップは不要です。

何らかの理由で再セットアップが必要となった場合は、以下のページをご参考ください。

位相差顕微鏡のセットアップ|位相差顕微鏡|レイマー顕微鏡オンラインショップ
レイマー顕微鏡オンラインショップの位相差顕微鏡のセットアップをご案内します。顕微鏡・関連用品はレイマー顕微鏡オンラインショップ

お客様での対応が難しいなどの場合には、製品をお預かりしての再セットアップも可能です(有償)。ご希望の際はお申し付けくださいませ。

2. 位相差試料(サンプル)の作製

顕微鏡で観察するための試料(サンプル)を作製します。

今回は口腔内プラーク中に含まれる細菌を観察するための一時プレパラートを作製しますが、どのようなサンプルを作製する場合でも重要なのが「サンプルの厚み」です。

顕微鏡での観察は、焦点深度(被写界深度)が非常に浅くなるため、サンプルに厚みがあるとサンプル内の上部と下部に深度差が生まれ、同時に観察できなくなる場合があります。

対物40倍・100倍といった高倍率での観察時は焦点深度の差が特に顕著となるため、サンプルは可能な限り薄く作製することを心がけましょう。

2-1. 爪楊枝などで歯垢を採取し、スライドグラスに塗布する

爪楊枝やスケーラー等で歯垢を採取し、スライドグラスに塗布します。

あまり多く採りすぎても薄いサンプルが作りづらくなるため、少量でOKです。

2-2. 生理食塩水で歯垢を延ばす

スライドグラス上の歯垢に生理食塩水を滴下し、薄く延ばします。

生理食塩水が無い場合、唾液でもOKです。

2-3. カバーガラスをかぶせ、空気を抜く

延ばした歯垢にカバーガラスをかぶせます。

爪楊枝の背などで圧迫し、中の空気を抜いていきます。

釣り具用の重りなど、カバーグラスに均等に圧が掛かるものを乗せてしばらく静置するのも効果的です。

2-4. カバーガラスの四方をマニキュア等で封じる

中の空気が抜けたら、カバーガラスの四方をマニキュア等を使って封じていきます。

封じることで空気が入り込まず、サンプルを薄いまま保てます。

これで位相差試料(サンプル)の完成です。

3. 位相差顕微鏡での検鏡(接眼レンズでの観察)

サンプルが完成したら、いよいよ位相差顕微鏡で観察していきます。

ステージ上のクレンメルを開き、サンプルを設置します。このときコンデンサの位置が下がってしまっている場合は、ステージ左下にあるコンデンサ位置調整ハンドルを回して最上に位置付けてください。

3-1. 低倍率対物レンズから順に焦点を合わせる

使用する対物レンズ倍率が40倍・100倍といった高倍率である場合にも、必ず低倍率(10倍・20倍)から順に焦点を合わせていきます。

顕微鏡は高倍率であるほど焦点深度が浅く、ピント調整が難しいため、顕微鏡に慣れていない初心者の方がはじめから高倍率で焦点を合わせることは非常に困難です。

まず対物レンズ10倍(黄)を光路にセットし、ターレットコンデンサの数値も10が正面に来るようにセットします。

側面から対物レンズとサンプルを見ながら、粗動ハンドルを回して作業距離(6.6mm)よりやや短くなる程度に近づけます。

次に接眼レンズを覗きこみ、微動ハンドルを反時計回りに回し、サンプルを対物レンズから徐々に遠ざけながら焦点を調整します。

対物レンズ10倍で焦点が合ったら、対物レンズを20倍(緑)に切り替え、ターレットコンデンサの数値も20をセットします。

対物レンズ10倍で焦点を合わせているため、焦点位置は接眼レンズを覗きながら微調整を行うだけで充分です。

さらに高倍率の対物レンズを使用する場合は、同様の作業を繰り返します。

位相差顕微鏡のターレットコンデンサの数値は対物レンズの倍率と一致させて使用します。
※「0」は明視野検鏡の際に使用します。

3-2. ステージを動かし、試料を観察したい位置に調整する

焦点が調整出来たら、メカニカルステージの前後動ハンドルを操作し、サンプルを観察したい位置に調整します。

高倍率対物レンズは一度に観察できる範囲が狭い(位相差顕微鏡BX-3500TPHLで40倍対物レンズを使用する場合、視野直径は約5mmであるため、観察したい位置を探す場合は低倍率対物レンズの使用をおすすめします。

4. 位相差顕微鏡での撮影(顕微鏡用カメラでの撮影)

接眼レンズからの観察ではなく、顕微鏡用カメラを三眼鏡筒部に接続して観察・撮影を行う方法です。

4-1. 顕微鏡用カメラ(Cマウント)の接続

接続するカメラ機種に特に制限はありませんが、細菌や血球といった微小なサンプルを観察する場合、接眼レンズでの観察よりもよりズームアップされた像を求められるケースが多くあります。

センサーサイズの小さいカメラ(1/3インチ等)を使用することで、接眼レンズ観察時に比べて狭い範囲をより強拡大な像で映し出すことが出来ます。

Cマウント接続の顕微鏡用カメラであれば、BX-2705TPHLおよびBX-3500TPHLに標準付属しているCマウントアダプタ(1倍)で接続可能です。

三眼鏡筒部のキャップを取り外し、Cマウントアダプタを取り付けます。

Cマウントアダプタにカメラを接続し、カメラの向きを調整します。

WRAYCAMシリーズの場合、WRAYMERのロゴが正面に向く(USBケーブルが背面から出る)ように調整し、三眼鏡筒部の固定ネジを締めこんでCマウントアダプタおよびカメラを固定します。

4-2. 露出時間・コントラスト等の調整

カメラを顕微鏡に接続したら、パソコンに接続して制御ソフトウェアを起動して観察・撮影を開始します。

撮影準備前の露出時間やホワイトバランスの調整は以下の記事をご参考ください。

コントラスト等の画質調整が必要な場合は、以下のユーザーマニュアルページをご参考ください。

補足. 同焦点位置の調整

カメラを介しての観察のみの場合は、映像を見ながら接眼レンズでの観察時と同じように焦点を調整するだけでOKです。

接眼レンズでの観察とカメラでの観察・撮影を併用する場合、接眼レンズとカメラ観察時の焦点位置を合わせることで接眼レンズ⇔カメラ切り替え時に焦点調整が不要となるため、快適に使用することが出来ます。

接眼レンズ・カメラの焦点位置が一致していることを「同焦点が得られている」と言います。

前述のCマウントアダプタ1倍での接続時には調整出来ませんが、CマウントアダプタユニバーサルタイプGCシリーズとJISアダプタ(BX-2705TPHL・BX-3500TPHL標準付属品)を併用した接続方法であれば調整可能です。

JISアダプタの溝部分(オレンジ色の矢印部)がダブルナットになっており、緩めることが出来ます。

上記箇所を緩めた状態で緑色の矢印部を回転させるとアダプタの高さを上下させることが出来、カメラの位置づけを調整することで同焦点位置の調整が可能です。

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