ライブスティッチングは、Spectman for Windows/for Mac V.2.0より追加された機能です。プレビュー中に試料を移動させて、試料全体を走査(スキャン)し、リアルタイムに合成画像を生成します。
スティッチングにより、高倍率かつ広範囲を撮影した静止画が生成出来るため、分解能の高さと広い画角を両立させることが出来ます。
8.1 ライブスティッチングの準備
カメラを起動し、ホワイトバランスの調整等、基本的な撮影準備をしておきます。

なお、スティッチングを行う際に自動露出になっていると、走査中に画面輝度が一定せず、スティッチング後の静止画に輝度ムラが生じる可能性があります。
ライブスティッチングは自動露出のチェックを外した状態で行うように注意しましょう。
8.1.1 スティッチングの開始
Spectman画面上部のツールバー(アイコン群)のスティッチングアイコンをクリックすると、ライブスティッチングが開始されます。
枠内に現在走査・撮影中の箇所が表示されています。顕微鏡のメカニカルステージを使い、試料を移動させていくと、自動的に画像のキャプチャ・合成を行います。
なお、スティッチング中に走査中の枠色が変化する場合があります。各枠色は以下のような状態を表しています。

枠が移動しない(枠内の画像だけが動いている)場合、最後にライブスティッチングが正常に行えた箇所まで試料の位置を戻し、再度走査をやり直してください。
※それでもうまくいかない場合は初めからやり直してください。
試料の移動を出来るだけゆっくりと行っていただき、それでも正常に動作しない場合、ご使用のパソコンが推奨動作環境を満たしているかご確認ください。

8.1.2 スティッチングの終了


8.2 ライブスティッチングの注意点
ライブスティッチングを行う際、以下のような点にご注意ください。
8.2.1. 微動可能なメカニカルステージが必須
エラーを起こさずライブスティッチングを完了する場合、試料の移動スピードや移動方向の正確さが重要となります。
手で直接試料を移動させる顕微鏡(メカニカルステージが無い顕微鏡)の場合、正確かつ低速での試料移動が困難なため、ライブスティッチングの利用に適していません。
8.2.2. 凹凸の激しい試料は不適切
ライブスティッチングの合成はあくまでも水平方向であるため、凹凸の激しい試料では焦点ずれにより連続した試料と判断できない、もしくはところどころ焦点の合わない画像が合成される可能性があります。
8.2.3. コントラストの弱い試料はエラーが起こりやすい
コントラストの弱い試料の場合、ソフトウェアが連続した箇所を判別しづらいため、エラーが起こりやすくなる可能性があります。
顕微鏡の絞り値を調整する等、ライブスティッチングは出来るだけコントラストの高い状態で行ってください。
8.2.4. プレビュー画面の大半を背景が占める試料はエラーが起こりやすい
コントラストの弱い試料と同じく、試料の連続性が判断しづらいため、エラーが起こる可能性が高くなります。
8.2.5. 撮影像の明度が低いものはエラーが起こりやすい
撮影像が暗いもの・輝度の低いものはエラーが起こる可能性が高くなります。
同じ標本・試料を撮影する場合でも、
このような暗い像を撮影するより
